子どもの食に詳しい相模女子大学の堤先生に、子どもたちの食事について聞いてみました! 第3号 楽しい食卓を囲んで離乳食を 「PAKU MOGU」では、11月から離乳食のレシピを公開しています。前回のコラムでは、離乳食の進め方についてご紹介させていただきました。今回は、離乳期のお子さまとのお食事の楽しみ方についてご紹介いたします。 食事は大切なコミュニケーションの場です 生後9か月頃になると、離乳食は1日3回になります。大人の食事時間と一緒の時間に離乳食を食べることも増えてきますが、はじめに子どもに離乳食を食べさせて、その後、大人だけで食事をする、ということをやっている方はいらっしゃいませんか。この食べさせ方は、お勧めできません。 その理由は、食事の時間は、成長・発達や生命の維持に必要な栄養素等を補給するだけでなく、家族や友人らとのコミュニケーションの場でもあるからです。 食卓の楽しい雰囲気を共有しましょう 離乳期の子どもと一緒に食卓を囲むと、例えば、大人が食べているものに子どもが手を出そうとしたら「あっ、それはまだ固いから、○○ちゃんには無理よ。早くこれが食べられるようになるといいね」と声かけをすることもあるでしょう。その時、子どもは何を言われているのか、意味は分からなくても、声のトーンは子どもの成長を願うやさしいものであることは感じることができます。 また、食卓で大人同士が料理などの会話をしたとき、とても和やかで、楽しい雰囲気を醸し出していることでしょう。その食卓の場に子どもが一緒にいることで、その楽しい雰囲気を共有することができるのです。 先に子どもに離乳食を食べさせて、大人と一緒に食卓を囲んでいないと、楽しい食事の雰囲気を感じることができず、単なる栄養素等の補給の時間になりがちです。 食事の時間が「みんなで食べると楽しいね、おいしいね」という共食の楽しみ、喜びを感じられる時間となるように、離乳食の頃から、共に食卓を囲む体験をたくさん積んでいきたいものです。 肩書・プロフィール 相模女子大学 栄養科学部健康栄養学科 特任教授 ◎日本女子大学家政学部食物学科卒業、同大学大学院家政学研究科修士課程修了。 ◎東京大学大学院医学系研究科保健学専門課程修士・博士課程修了。 ◎保健学博士、管理栄養士。青葉学園短期大学専任講師・助教授。 ◎日本子ども家庭総合研究所母子保健研究部栄養担当部長。 ◎相模女子大学栄養科学部健康栄養学科教授を経て、2024年4月より現職。 専門は母子栄養学、保健栄養学。「授乳・離乳の支援ガイド」(2019年改定版)策定委員。 バックナンバー 【最新号/第13号】2025.4.17自分の作るご飯で栄養がとれているか心配、確認する方法は? 【第12号】2025.3.13子どもの好き嫌いが違うときの食事準備の工夫 【第11号】2025.1.16おかずだけ食べて白ご飯を残してしまうことも。ご飯をよく食べてもらうにはどうしたらいいですか? 【第10号】2024.11.28実はおやつには子どもの食事に大切な役割があるのです! 【第9号】2024.10.24季節の変わり目は、体調を崩してしまうことも…熱があるとき、体調の悪い子どもに食べてもらうには? 【第8号】2024.9.12好き嫌いのある子ども。偏食がなくなるにはどうしたらいいの? 【第7号】2024.4.18よく噛んで食べることは、なぜ大切なのでしょうか 【第6号】2024.3.28三色食品群に配慮した献立で栄養バランスのとれた食事を 【第5号】2024.2.15子どもたちに野菜にチャレンジしてもらうための工夫 【第4号】2024.1.18朝食は、なぜ摂取したほうがいいの? 【第3号】2023.12.7楽しい食卓を囲んで離乳食を 【第2号】2023.10.5「お魚大好き!」な子どもにするには、どうしたらよいかしら? 【第1号】2023.9.14子どもの食事は、なぜ薄味がいいの?