堤先生の食育コラム 堤先生の食育コラム

子どもの食に詳しい相模女子大学の堤先生に、子どもたちの食事について聞いてみました!
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「子ども商品開発部」のパパママ
お悩みNo.1!
好き嫌いのある子ども。
偏食がなくなるにはどうしたらいいの?
「子ども商品開発部」のパパママ
お悩みNo.1!好き嫌いのある子ども。偏食がなくなるにはどうしたらいいの?

「子ども商品開発部」のパパ、ママのお悩みは多くのご家庭でも同じではないでしょうか。
今回は、子どもたちの偏食、好き嫌いについて
堤先生にアドバイスをいただきました。
「子ども商品開発部」のパパ、ママのお悩みは多くのご家庭でも同じではないでしょうか。 今回は、子どもたちの偏食、好き嫌いについて堤先生にアドバイスをいただきました。

Q1 給食では食べているようですが、自宅では好き嫌いが多く、偏ったものばかり
食べてしまいます。好き嫌いなく食べるようになるコツはありますか?

ご相談のお子さんのように、給食では食べているのに、自宅では好き嫌いが多いという状況は、時々見られることがあります。それは、子どもの偏食はその食べ物が嫌い、苦手というよりも周囲の環境の影響で起こることも多いからなのです。そこで、何を食べるかとともに、どのような環境で食べるか、ということにも配慮することが重要です。そこで以下に挙げる方法を試してみてはいかがでしょうか。

  • ●楽しい雰囲気を作る
    咀嚼力に合わせて、食べやすい状態に調理をすることに加えて、楽しい雰囲気で食事をすることが効果的です。家族が「おいしいね」と笑顔で言いながら、子どもの苦手なものを食べているのを見せ続けていると、周囲につられて食べるようになる可能性も高まります。
  • ●肯定的な言葉かけをする
    子どもの食が進まないと「それ嫌いなの?」、「○○嫌いだったね」などの言葉かけで、子どもは「これは嫌い」と認識してしまうこともあります。そこで、「嫌い」と決めつけるような言葉かけは避けます。 また、「一口しか食べなかった」と否定的に捉えるのではなく、「すごい!一口食べられたね」と肯定的に捉えて、ほめることを習慣化していきます。子どもは食べられたことを褒められると「苦手な○○が食べられた」と自信がつき、それが自己肯定感の育ちにもつながっていきます。
  • ●食事の準備や調理を手伝ってもらう
    子どもに箸や皿を並べてもらったり、一緒に野菜の皮むきをしたり、材料を鍋に入れるなど料理を手伝ってもらうことで、食材に対する興味が湧き、食べる意欲が高まります。簡単な作業から始め、徐々に難しい作業に挑戦させるとよいでしょう。自分で作った料理を食べることは、達成感を感じると同時に、新しい食材を試すきっかけにもなります。

なお、大人が「今日はこれが食べたい」と思うように、子どもにも「今日食べたいもの」があります。成長に伴い「今日食べたいもの」も変化していくことが多いです。そこで、「そのうち食べられるようになるかもしれない」とおおらかに見守り、楽しく食べる経験を積むことも大切です。

肩書・プロフィール
堤先生
相模女子大学 栄養科学部健康栄養学科 特任教授
◎日本女子大学家政学部食物学科卒業、同大学大学院家政学研究科修士課程修了。
◎東京大学大学院医学系研究科保健学専門課程修士・博士課程修了。
◎保健学博士、管理栄養士。青葉学園短期大学専任講師・助教授。
◎日本子ども家庭総合研究所母子保健研究部栄養担当部長。
◎相模女子大学栄養科学部健康栄養学科教授を経て、2024年4月より現職。

 専門は母子栄養学、保健栄養学。「授乳・離乳の支援ガイド」(2019年改定版)策定委員。