堤先生の食育コラム 堤先生の食育コラム

子どもの食に詳しい相模女子大学の堤先生に、子どもたちの食事について聞いてみました!
2

「お魚大好き!」な
子どもにするには、
どうしたらよいかしら?

子どもの好き嫌いについては子育て中の悩みの一つ。特にお魚は苦手な子が多いですが、お肉もお魚もバランスよく食べて欲しいですよね。そこで今回は、お魚をおいしく食べられるコツを相模女子大学の堤先生に聞いてみました。

1

子どもが喜んで食べるような調理法の工夫

 魚には、体の成長・発達に必要なたんぱく質や、カルシウムの吸収を助けて、骨を強くする働きをもつビタミンD、また、脳や目の機能に重要な役割を果たし、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防に効果があるとされるDHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)など、私たちの体に必要な栄養成分が含まれています。

 これらを考えても、「お魚大好き!」な子どもを目指したいものです。

 しかし、臭いが苦手、骨がある、目がこちらを見ている、焼き魚はパサパサしているなどの理由から食べたがらないことがあります。そこで、子どもが喜んで魚を食べるようにするための調理法の工夫をいくつかご紹介します。

  • ❶マヨネーズやチーズの利用
    子どもの好きなマヨネーズを油の代わりに使って炒めたり、オーブンなどでチーズに少し焦げ目がつくくらいまで焼くと、香ばしさが加わり、さらにおいしくなります。
  • ❷骨まで柔らかくなるように煮込む
    骨が気にならなければ食べやすくなります。また、梅干しや生姜を入れた甘辛い味付けにするとご飯も進みます。
  • ❸揚げ物にする
    から揚げやフライにすると、歯ごたえがよくなったり、油脂の旨味が加わり、食べやすくなります。ゆでてマッシュしたじゃがいもに、焼いた鮭などを入れてお好み焼きのようにフライパンで焼くのも、手軽にできて、子どもが喜ぶのでおすすめです。

2

子どもが「食べてみたい」と思える働きかけ

 調理法の工夫とともに、子どもが魚を「食べてみたい」と思えるような周囲の働きかけも大切です。以下のような方法を試してみてはいかがでしょうか。

  • ❶大人がおいしそうに食べてみせる
    子どもは、大人がおいしそうに食べる姿を見ることで、「食べてみようかな」という気持ちが引き出されやすくなります。
  • ❷見た目をキャラクターに似させたり、かわいらしくする
    大好きなキャラクターや絵本の動物などの形にすることで、食べてみようかな、という気持ちが起きるように働きかけます。
  • ❸一緒に調理する
    ビニール袋に魚と小麦粉を入れて振り振りして、魚に粉をまぶす、フライパンで魚を焼いているジュージューという音を聞いたり、フライ返しで魚を一緒に裏返したりするなど、一緒に楽しく調理をします。

 これらの工夫により、子どもは魚に興味をもち、「お魚大好き!」になる可能性が高まることでしょう。

肩書・プロフィール
堤先生
相模女子大学 栄養科学部健康栄養学科 特任教授
◎日本女子大学家政学部食物学科卒業、同大学大学院家政学研究科修士課程修了。
◎東京大学大学院医学系研究科保健学専門課程修士・博士課程修了。
◎保健学博士、管理栄養士。青葉学園短期大学専任講師・助教授。
◎日本子ども家庭総合研究所母子保健研究部栄養担当部長。
◎相模女子大学栄養科学部健康栄養学科教授を経て、2024年4月より現職。

 専門は母子栄養学、保健栄養学。「授乳・離乳の支援ガイド」(2019年改定版)策定委員。