堤先生の食育コラム 堤先生の食育コラム

子どもの食に詳しい相模女子大学の堤先生に、子どもたちの食事について聞いてみました!
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子どもの食事は、なぜ薄味がいいの?

「PAKU MOGU」は、お子さまにも安心してお召しあがりいただけるよう「あっ!と ごはん」「定番おうちごはん」より塩分濃度を低く設定し、商品開発を行っています。
なぜ薄味がいいのか、子どもの食に詳しい相模女子大学の堤先生に聞いてみました!

 主な理由は2つあります。
 一つ目の理由は、子どもの身体への負担を減らすためです。子どもの腎臓の機能は未熟であるため、塩分が多い食事は腎臓に負担がかかります。また、これは子どもに限らず大人にも共通していますが、濃い味の食事はエネルギー(カロリー)や糖分も高くなりがちであり、肥満や生活習慣病発症リスクを高める可能性があります。
 二つ目の理由は、繊細で豊かな味覚を育てるためです。私たちは、いろいろな味を舌にある味(み)蕾(らい)という器官で感じています。この味蕾の数は、乳児期が最も多く、加齢に伴い減少していきます。そこで、大人が食べて薄いと感じる味でも、子どもは繊細な味を感じることができます。子どもの頃から濃い味付けに慣れてしまうと、食材そのものの味を感じ取ることが難しくなり、繊細な味覚が育ちにくくなります。薄味で様々な食材の味を経験することで、豊かな味覚を育てていくことが望まれます。
 「薄味の料理はおいしくない」という声を耳にすることがあります。しかし、例えば昆布やかつお節のだしをきかせれば、塩味や甘味が薄味であっても、その料理はおいしく感じます。また、香りや見た目、温度などを工夫することもお勧めです。なお、子どもは食べ慣れない食事は、おいしいとは感じにくいので、日頃から薄味の料理に慣らして、「どんな味がするかな?」など問いかけながら、親子で楽しい雰囲気の中で食事を摂ることも、薄味をおいしくいただくために効果的です。

肩書・プロフィール
堤先生
相模女子大学 栄養科学部健康栄養学科 特任教授
◎日本女子大学家政学部食物学科卒業、同大学大学院家政学研究科修士課程修了。
◎東京大学大学院医学系研究科保健学専門課程修士・博士課程修了。
◎保健学博士、管理栄養士。青葉学園短期大学専任講師・助教授。
◎日本子ども家庭総合研究所母子保健研究部栄養担当部長。
◎相模女子大学栄養科学部健康栄養学科教授を経て、2024年4月より現職。

 専門は母子栄養学、保健栄養学。「授乳・離乳の支援ガイド」(2019年改定版)策定委員。