堤先生の食育コラム 堤先生の食育コラム

子どもの食に詳しい相模女子大学の堤先生に、子どもたちの食事について聞いてみました!
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朝食は、なぜ摂取したほうが
いいの?

「朝食は摂取したほうがいい」とよく聞くけれど、その理由について、農林水産省ホームページの「朝食を毎日食べるとどんないいことがあるの?」という記事をご紹介しながら相模女子大学の堤先生に説明していただきました。

朝食を毎日食べることが推奨される理由

 これまでなんとなく「朝食は摂取したほうがいい」と思っていた方も、下記のように朝食摂取が推奨されることが研究結果から科学的に証明されています。お子さまと一緒に楽しい朝食摂取を習慣づけることが望まれます。


理由
その1

食事の栄養バランスとの関係

 朝食を毎日食べる学生は、週3回以上朝食を欠食する学生と比べて、エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、ミネラル類、ビタミン類、脂肪酸、食物繊維など、多くの栄養素等について摂取量が多いという研究結果が得られています。 また、食品群では、穀類、豆類、緑黄色野菜、魚介類、卵類の摂取量が多いという結果でした。


理由
その2

生活リズムとの関係

 朝食を欠食する子どもほど、起床時刻や就寝時刻が遅く、睡眠時間が短いという研究結果が得られています。 また、朝食を欠食する子どもは、夜食の頻度が高いことも示されており、朝食を食べることと生活リズムが整っていることには関連があることが明らかになっています。


理由
その3

心の健康との関係

 朝食を毎日は食べない子どもは、朝食を毎日食べる子どもと比べて、イライラ感が「いつもある」「よくある」「時々ある」と回答した者の割合が高いことが明らかになっています。調査を行った小学2・4・6年生、中学2年生のいずれの学年でも同様の結果が得られています。


理由
その4

高い学力・体力や良好な学習習慣との関係

 中学2・3年生で朝食をほとんど毎日食べる子どもは、朝食を週に2~3回食べる、あるいは朝食をほとんど食べない子どもと比べて、通信簿の平均点が高いことが分かりました。



肩書・プロフィール
堤先生
相模女子大学 栄養科学部健康栄養学科 特任教授
◎日本女子大学家政学部食物学科卒業、同大学大学院家政学研究科修士課程修了。
◎東京大学大学院医学系研究科保健学専門課程修士・博士課程修了。
◎保健学博士、管理栄養士。青葉学園短期大学専任講師・助教授。
◎日本子ども家庭総合研究所母子保健研究部栄養担当部長。
◎相模女子大学栄養科学部健康栄養学科教授を経て、2024年4月より現職。

 専門は母子栄養学、保健栄養学。「授乳・離乳の支援ガイド」(2019年改定版)策定委員。